ess.(エス)について
個人的に好きだったLemon(恵比寿)が3月に閉店(現在は和食店になって「KATO Lemon」という和食店にリニューアルしたらしい)し、シェフの北野氏が神泉で新たにオープンしたess.。
北野氏は、リストランテ キメラ→サローネ→Lemonという経歴で、イル・テアトリーノ・ダ・サローネ時代にはシェフを務めております。その後のLemonでも、食べログ百名店に選ばれてるので、腕は確か。
王道のイタリアンをド直球で出してくれる北野シェフの潔さが好きで、今回はコースで伺ってみました。
総評・レビュー
コスパ・サービスレベルは???これからの進化に期待
7皿13,000円というコースを紐解くと、ポーションがやや少なめ、パン無し、デザート別料金という構成。この前行った神楽坂のscagliaのコースは、9品で13,200円(ポーション:普通、パン:お代わりし放題、デザート込み)だったので、そこを考慮すると、コスパは良いとは言えないなぁと。
サービスに関しても、サローネ出身特有の手厚さを期待していたものの、厨房から遠いテーブル席だったのか満席だからかは分からないですが、放置タイムがそれなりにありました。ボトルを頼んだのに、空のグラスの時間の方が多かった…(悲)。
料理の味は、Lemon時代とは打って変わって、素材の味直球型ではなく、ソースによる変化球多め。南米テイストがある一品もあったりとユニークな側面も。いろいろ挑戦してるんですね。
ただ、気になったのがコースの1品目。「お店・シェフ・コースのコンセプトを端的にメッセージングする」や「食欲を駆り立てる」という役割の側面からすると、「オリーブのみ×3つ」は難解すぎました。
これからの進化に期待しております。
お店の雰囲気・外観
お店は神泉駅から徒歩数分程度と駅近。
(…神泉は、tar(イタリアン)やHenderson(ビストロ)、Chillmatic(ハンバーガー)など、ここ最近美味しそうかつおしゃれなお店がどんどん増えてきているようなイメージです。そういや、mellowも神泉駅から近かった。いつか腰を据えて攻略してみたいです。)
お店が入っているビルは、コンクリート感満載の無機質な外観。
店内は、中は薄暗い照明でやや不気味な印象ですが、カウンターやテーブルは温かみのある木という構成。面白いギャップで、ダウナーな方々に受けそう。
席は、カウンター、テーブル、個室の構成で席数は16席ほど。今回は人数的にテーブル席です。
お客さんは、場所柄か価格柄か分かりませんが、20~30代の若い方々が中心。パパ活系もそれなりに。週の初めなのにも関わらず、満席です。オープンしてからは上々の立ち上がりっぽいっですね。
スタッフは、サローネ出身特有のイケメン勢中心。カウンターは手厚いサービスのように見受けられますが、テーブル席はほぼ放置プレイ。ボトルを頼んだんですが、グラスが空になっても、スタッフの方はなかなか気づいてくれません(悲)。あと、コースの後半、サーブのテンポがかなり遅れてくるのも「う~ん…」という感じ。まぁ満席だからしょうがないですね。
5段階評価
- 料理・味:★★★★
- サービス:★★
- 雰囲気・居心地:★★★★
- コスパ:★★
- お酒・ドリンク:★★★
- お一人様率:★
料金・価格
食事はアラカルトとコースがあり、後者は6~8皿で13,000円。
都内のイタリアンだと圧倒的に安い部類、たしかLemon時代も同じ価格だったはず。
ちなみに、アラカルトのおおよその中央値は、Snacks:2,000円台半ば、Appetizer、Pasta:3,000円台半ば、Main Dish:6,000円台半ばという感じです。
ドリンクは、白・赤のグラスが1,600円~、シャンパーニュ:3,000円。ボトルに至っては最安のもので19,800円となっており、食事と違ってサローネ同様強気な価格設定です。今回はボトル1本とクラフトビール数杯をオーダー。
トータルで一人当たり28,000円くらい。総評でも書きましたが、高い勉強料払いました。
料理・コース
・オリーブ
「お通し」なら理解できますが、コースとしての前菜となると不可解な一品。味はいたってオリーブ。FLOとかカルディで食べるそれと何ら変わらず。
・本まぐろと野菜のサルサ
サクサクのシュー生地の中に、まぐろとサルサのコンボ。まぐろの旨味やら酸味やら甘味やらをぶっ飛ばすサルサの破壊力はすさまじい。
・寒鰤×蕪のカルパッチョ
黄色部分はカラスミ。味は、まぐろと同様、カルパッチョソースの主張が強く、なかなか寒鰤そのものの味を堪能できず…。
・フェデリーニ キャビアと白海老の冷製パスタ
ようやく待ち望んでいた一品。キャビアの塩気と白海老の甘味が文句なしの絶品パスタ。食感もバラエティ豊か。願わくば、もう少し増量してほしいところ。
・牛モツのトスカーナ風煮込み サルサヴェルデ
牛もつの下には、トルティーヤが敷いてあり、自身で巻いて食べる料理となります。牛もつはトスカーナ風だけあって、にんにくと唐辛子がかなり効いており、辛味が際立ってます。12月の寒い日なのに、額にじんわり汗が…。
・ヴェスピオ 自家製ポルペッティとレモンのトマトソース
辛味第2弾。唐辛子は耐性低めゆえ、試練でした。次からは苦手食材を事前にお伝えしようと反省。
・炭火焼き 茨城県産かすみ鴨
メインは鴨。こちらはシンプルに塩と胡椒で。柔らかな肉質と豊富な旨味がたまりませんねぇ。
・ミルクアイスクリーム キャラメルピーカンナッツ
デザートと食後のドリンクは別料金で、1,200円のキャラメルピーカンナッツをオーダー。デザートを通して気づきましたが、今回のコースは総じて甘味を軸とした品がほぼほぼ皆無だったなと。辛味耐性が低い自分にとっては、なかなかチャレンジングな一日となりました。ごちそうさまでした。
ess. (イタリアン / 神泉駅、駒場東大前駅、渋谷駅)
夜総合点★★★☆☆ 3.0
店舗情報
- 住所:東京都渋谷区神泉町13-13 ヒルズ渋谷 B1F
- 最寄り駅:京王井の頭線神泉駅から徒歩3分
- 予約:TableCheckほか
- 営業時間:17:00 - 23:00
- 定休日:日曜日