総評・レビュー
居心地の良さハンパない
イタリア語でハーモニーを意味するアルモニコさん。食べログではイタリアン百名店やブロンズに選ばれております。
私自身、大好きなお店で定期的に行くようにしています。料理の味もさることながら、居心地の良さがほかの店とは段違いゆえです。
ところで、居心地の良さってナニ?と思い、いろいろ調べてみると、国土交通省がまちなかの居心地の良さを定義付け+定量化しておりました。まちなかの縮小版が飲食店やろ、ゆえに飲食店にも当てはまるだろと思い、紹介します。下記4つが構成要素だそうです。
- 安らぎ感:その場所に安らぎを感じ、その場所に留まろうとする状態
- 安心感:不快感を感じず滞在・活動ができる状態
- 期待感:そこで行われる非日常的な活動への期待・喜びを創出する状態
- 寛容性:違和感や疎外感がなく滞在・活動ができる状態
これらの4要素において、それぞれ20~30位のチェック項目があり、それらのスコアで居心地の良さが高いか・低いかが判断するという感じです。(国土交通省の当該ページ)
例えば、安らぎ感だったら、「ぼーっとしている人がいる」や「景色を眺める人がいる」などの安らいでいる状態のバリエーションとそれらの人数で判断したり、期待感だったら「初めてあった人と交流している人がいる」や「笑いながら話をしている人がいる」などの期待をしている状態のバリエーションとそれらの人数で判断したりなど。
これを今日のアルモニコさんに当てはめて考えてみると、確かに上記4項目に該当するなぁと。カウンター席には、ビジネス利用らしき男性2人組が過去の仕事のことを懐かしんで笑ってたり、年配の夫婦らしき方が庭の手入れについて語っていたり、テーブル席ではGWの過ごし方について相談し合うオサレなカップルがいたり、読書をしている自分がいたりなど、バラエティに富んでおります。
こういう状態を実現できるって、つまるところ、シェフに起因するものなのかと思っております。シェフ・職人が背中を見せない(=隙を見せない)状態をキープしたお店や、シェフ⇔スタッフの上下関係ハードコア系のコミュニケーションを展開していると、一定の緊張感が客にも伝わり、居心地が良くないと感じてしまいますよね?(カウンターのお寿司屋さんでありがち)
佐々木シェフを観察すると、背中は見せまくるし、スタッフとの会話も建設的(相手の主張をしっかり聞いた後に自身の意見を言う)だし、お客さんとの会話も良い意味でフラットだし。そして、スタッフ陣に目を向けると、若い男性スタッフ陣は通い始めたころからいるし(イヤな上司がいる職場は人材の流動性が高い)。
つまるところ、お店の名前を見事に体現してるなぁと思った次第。
シェフについて
佐々木シェフは、国内のホテルやイタリア料理店で修業した後、渡伊し3年間修業。帰国後は、国内のイタリアンでシェフを務め、2013年にアルモニコをオープン(途中、恵比寿→代官山に移転)し、現在に至ります。
大分出身ということもあり、地元のお魚やお野菜を駆使したイタリアンが特徴的です。
armonico.jp
あと、調理の工程で、小声で「よしっ」や「よっしゃ」ってつぶやいている瞬間があります。これってよくよく5whyで辿ってみると、人間的に良くできてるって思ってしまいます。
お店の雰囲気・外観
代官山より徒歩数分の所にお店はあります。ドアは重厚ですが、店内は冒頭で述べたとおり、居心地の良い空間です。席はカウンターが5席、テーブル席が数席、1個室あります。
お客さんは冒頭で述べた通り多種多様。満席です。
スタッフ陣は心配りが徹底しております。何度も来ておりますが、不快な思いを経験したことは無。
ドレスコードはスマートカジュアル的な感じです。
5段階評価
- 料理・味:★★★★★
- サービス:★★★★
- 雰囲気・居心地:★★★★★
- コスパ:★★★★★
- お酒・ドリンク:★★★★★
料金・価格
ディナーコースは全9品の14,000円。メインが、京都中勢以長期熟成肉かガーネットビーフの横隔膜か山形村短角牛のどちらかを選択できる形式です。都内のイタリアンの中では安めな部類。
ドリンクも良心的なお値段で、ワインペアリングが3杯:5,500円、5杯:7,800円、6杯:9,000円です。1杯あたりの価格を考えたら、6杯一択しかないと思い、6杯にしました。トータルで27,000円(少し、ワインのお代わりをしたからちょいプラ)。
料理・コース
・つきだしのグリッシーニ
緑はワカメとシラスが練り込まれてます。風味が心地よく、ワインが進みます。
・モッツァレラチーズのムースとフルーツトマトのジュレ
ジュレのトマト(とブラッドオレンジ?)の爽やかな酸味と甘み、バジルの風味がたまりません。
・湯布院町ニジマスのクレスペッレ
クレスペッレはイタリアのクレープを意味します。生地で包んだ状態で出されると無機質な感じになるところを、自身で巻いて食べるスタイルで回避する工夫。中の彩りは鮮やかで多様。白いソースは羊のヨーグルトで濃厚な味わい。ワインはライチの香りが特徴的なLE VIGNE DI ZAMOと。
・生ハムとラトゥールチーズのパンッェロッティ
いわゆる揚げピザ。外はカリッカリ、中はトロトロ。紫キャベツの甘みと旨みが好き。
・低温でじっくり蒸した真蛸のリゾット サルサヴェルデ
見た目は一見ギョッとしますが、真蛸は柔らかく、噛むと口の中でとろけていく感じ。
・ヒラメのストランゴッツィ ボッタルガ
「靴ひも」を意味するストランゴッツィ、太麺のロングパスタです。カラスミの濃ゆい味とマッチし、あっという間にペロリ。
・パン
・土佐あか牛のラグーソース タヤリン
ラグーソース界のTOP。辞書で引いたらこの写真が掲載されてしかるべき。土佐あか牛のゴロっとして弾力のある感じもクセになります。
・なかやま牧場神石牛の薪火焼き
見た目は武骨ながら、脂が甘く旨味が濃縮されてます。個人的にはにんじんのピューレとの相性が好きで、めちゃんこ付けて食べました。そして、ワインをだいぶハイペースで飲んだのでここからは記憶が曖昧。
・本日のデザート
・お茶菓子+エスプレッソ
…途中から記憶が無いですが、総じて幸せです。ごちそうさまでした。
店舗情報
- 住所:東京都渋谷区代官山町12-16 シンフォニー代官山 102
- 最寄り駅:東急東横線代官山駅より徒歩4分、JR恵比寿駅より徒歩13分
- 予約:食べログほか
- 営業時間:17:30 - 23:00(L.O.料理21:00、ドリンク22:30)、水曜はランチあり
- 定休日:日曜日+不定休