総評・レビュー
上質な天ぷらをリーズナブルに
いろはに千鳥の「埼玉食べ尽くしツアーズ開幕!絶品天ぷら屋で最高の朝食!」で紹介されていた天ぷら拓さん。TV放映時は、埼玉の春日部市にお店を構えていましたが、今年の2月頃に神楽坂に移転オープン。食べログでは天ぷら百名店に選ばれております。TVで紹介されていた各種天ぷらや天茶漬けが美味しそうだなと思い、今回はディナーでひとり飯に行ってみました。
んで、総評としては、印象的なのはやっぱり「味の良さ」。すべての揚げ物に外れ無し。衣は限りなく薄く、素材は上質。特に、印象的だったのはアスパラガスの根元。噛んだ瞬間にジュワーと大量の水分が溢れ出し+上品な風味も見事に口の中に広がってきます、お見事。季節的に、多様なジャンルでアスパラガスを食す機会が多いんですが、当店のアスパラガスが圧倒的に1位です。
赤茄子やシイタケもアスパラに負けないくらい瑞々しく、かつジューシー。魚介に関しても、ホタテやイカ、キスすべてが美味しく、素材の特徴を見事に全面に押し出しています。
あと、「リーズナブルな価格」というのもGood。天ぷらだと、都内だと3~4万はざらにありますが、当店は2万を切ります。すばらしい。
天ぷら好きな方もそうでない方もきっと満足できるのでは?
店主について
店主の増田拓実さんは埼玉県出身で30代とかなり若い。旅館や複数の和食料理店で修業をした後、春日部で2022年に独立し、自身のお店をオープン。「東京で勝負する」という男気の元、今年に神楽坂に移転し、現在に至るという感じです(引用元:
https://ichigaya.keizai.biz/headline/3577/
)。サラリーマンでいったら驚異的な出世、様々な会社に寄生しながら独立をひよっている私とは正反対のキャリアです、うらやましい。
お話ししてみると、物腰は柔らかで実直な方。あと、天ぷら含めたような料理への探求心がすんごい。コロナ中の厨房を「実験室」と称し、ひたすら研究を積み重ねたとのこと。ぜひとも神楽坂で成功してほしいです。
お店の雰囲気・外観
飯田橋からお店までは徒歩5分くらい。軽子坂を少し上った先のKARUKOZAKA PLACEの5Fにお店があります。内観は無駄な装飾等は一切ないながら、日本酒や焼酎がきれいに並べられております。(メニューは一部しか写真を撮っておりませんが、相当な種類のお酒を取り揃えております。下記は大好きな田酒)
厨房をL字で囲むような感じでカウンターのみ8席という構成。天ぷらを揚げている工程をダイレクトに楽しむことができます。
スタッフは店主の増田さんの他には、女性の方(奥さんですかね?)。さりげない気配りが徹底された方で、居心地は快適。
5段階評価
- 料理・味:★★★★★
- サービス:★★★★
- 雰囲気・居心地:★★★★
- コスパ:★★★★★
- お酒・ドリンク:★★★★★
料金・価格
料理はおまかせ一コースのみで、17,600円。天ぷらというジャンル及び神楽坂という立地を考えると、安めな価格設定。コースの内訳は「天ぷら十数品位+1品料理が複数+ご飯+デザート」という感じです。
ドリンクは日本酒・焼酎・ワイン・ビールなんでもあります。比較的、増田さん出身の埼玉のお酒もそろっております。全体的に、価格もお食事同様リーズナブル。今回、芋のソーダ割×3~4杯、日本酒を飲んで、トータル22,000円位。安い。
料理・コース
・本日のラインナップ
・塩(石垣島)
かなりしっとりとしたお味。石垣島の塩を煎って細かくしているのだそう。
・新潟県産ぜんまい 自家製マヨネーズ 明太子
一発目は山菜の宝庫新潟県よりぜんまい。やや太めで繊維質な食感。マヨ抜き単体でも美味しい。自家製マヨネーズを少し辛めな味付け。お酒が進みます。
・車海老
雲みたいな薄衣は見ていて惚れ惚れします。そして、あんまい。とにかくあんまい。
・車海老の頭
身とは対照的に、パリッパリで程良い塩味。
・こごみ
優しい風味が仕事の期限を忘れさせてくれます。
・きす
雲のようにふっわふわ(雲は食べたことないですが)な食感。味はあっさり目。濃ゆい味が大好きな自分は天つゆで食す。
・山形県アスパラガスの先端
ゴロッとしていて、歯ごたえのある食感はたまりません。甘さとほろ苦さのバランスもしかり。
・アスパラガスの根本
冒頭にも書きましたが、まるで、アスパラのジュースを飲んでるような瑞々しさ。本日のBEST。
・桜海老
素材独特の香り、甘み、旨みが濃縮されています。
・赤ナス
「ふわっとろ」オブザイヤー。
・いか
弾力のある食感。
・筍
いかと真逆の食感で筍という流れは、食感を楽しみなはれというメッセージ。堪能させて頂きました。
・雲丹の磯部揚げ
ド濃厚なうま味とクリーミーさがたまりません。
・ホタルイカともずく酢
そろそろ酸味が欲しくなってきたという気持ちを分かっているのでしょう、絶妙なところでもずく酢。
・あなご
・タラの芽
小さなころ地元でよく食べてた大好物。この苦みが好きなんですよね。やっぱり春は「山菜+天ぷら」のコンビネーションが最適だと痛感しました。
・ほたて
プリっとした食感。外側から内側にかけて色彩のグラデーションがお見事です。
・しいたけ
どんな肉料理よりもジューシー。
・さつまいも
どんなスウィーツよりもスウィーツ的な甘さ。
・天茶漬け+お漬物
いろはに千鳥で見たやつ。見た目とは裏腹にかなり上品なお味。確かに朝食べたくなります。
・最中
うーん、おなかいっぱい。けど、食べ疲れは皆無。ぜひ今度は友人や家族でいきたい。ごちそうさまでした。
店舗情報
- 住所:東京都新宿区神楽坂3-1 KARUKOZAKA PLACE 501
- 最寄り駅:JR・東京メトロ飯田橋駅より徒歩3分、東京メトロ千東西線神楽坂駅より徒歩10分
- 予約:TableCheckほか
- 営業時間:18:00 - 22:00
- 定休日:月曜日