鮨在(すしざい)について
「在郷」という言葉が店名の由来で、訪れたお客様一人一人の心の帰る場所を作っていくという想いを込められたそうな。鮨由うの姉妹店的な位置づけです(運営元はどちらも株式会社真)。
江戸前の伝統を基調とする寿司、大将である岡田貴裕氏の日本料理の修業経験によるハイレベルなおつまみ・一品料理、保坂卓ソムリエによる独創的なペアリングが特徴です。
食べログでは寿司百名店に選ばれております。
今回、夜の2部制の後半である20時のコースで伺ってみました。
総評・レビュー
ホスピタリティにあふれたお寿司屋さん
大将はじめ気さくなスタッフ陣のフレンドリーさと丁重なおもてなしが際立っておりました。ひとりの私に対しても、様々な話題をふって気を遣っていただいたり、ペアリングの説明の際にソムリエの方は至る所でお客さんを笑わせたりなど。狭い店内が、最初は窮屈さを感じていたものの、最後にはちょど良くさえ思えた次第。
もちろん、寿司・おつまみの味もすばらしく、ボリュームも相当あり、コスパはハイレベル。
欠点が見当たらない。こりゃあリピートしたくなる。
大将について
大将である岡田貴裕氏の経歴は以下の通り。
1994年に地元の寿司店で料理人修業をスタートし、新宿と浅草の懐石料理店で日本料理を学ぶ。その後、「ダイレクトにお客さまと向かい合える寿司職人に戻りたい」と日本橋や赤坂の名店で研鑽を積む。2016年に六本木【鮨 由う】に入店、2018年5月に広尾に【鮨 在】をオープン。モットーとしているのは「店の敷居は低く、寿司の志は高く」。
引用元:https://restaurant.ikyu.com/112445
今回、大将の目の前に座ったかもしれませんが、なかなか話しかけづらいであろうUI/UXの私に対しても、素材の話や普段食べるご飯屋さんなど、色々なな話題で気さくに色々話しかけて頂き、一人でも快適でした。ホスピタリティにあふれた紳士。
お店の雰囲気・外観
お店は、日比谷線広尾駅を出て徒歩5分くらい、 広尾商店街の一角にあるビル。1階のゆりの木薬局の左のドアを開けた先のエレベーターで5階になります。
店内はウッディな造り。天井は低く、隣の席の間隔も狭いため、少しばかり圧迫感があります。L字型のカウンター:8席と個室があり、席数はトータルで14席ほど。
お客さんの層は海外勢と日本勢で半々。満席です。カップルや男性グループが多く、おひとり様は私だけ。
スタッフは大将同様、みんな気さくでホスピタリティにあふれた方々ばっかり。由うさんのエンターテインメント性は無いですが、「客をもてなす」姿勢は徹底されているなぁと思った次第。なお、英語対応も可。
5段階評価
- 料理・味:★★★★★
- サービス:★★★★★
- 雰囲気・居心地:★★★★★
- コスパ:★★★★
- お酒・ドリンク:★★★★
料金・価格
夜はおまかせコースの1本のみで、29,700円。寿司のコースで30,000円を切るのは安い方。
ドリンクは、焼酎・果実酒・ビール・ソフトドリンクが1,000円以下となっており、こちらはフレンドリーな価格帯。ペアリングは11,000円、ティーペアリングは5,000円で、コース価格を考慮すると割安。ペアリングが有名ゆえ、私以外ほぼみんな11,000円のペアリングを頼んでおりました。私は2軒目もあったので、控えめに梅酒を3杯ほど。
今回、合計で32,400円。お寿司屋さんでこの金額に落ち着くのはなかなかないですね。
料理・コース
・焼き鰻と賀茂茄子蒸し
上には好物のミョウガ。賀茂茄子の弾力のある食感と噛んだ瞬間にとろけていく感じがたまりません。鰻と肩を並べるってすんごい。さすが茄子の女王。
・毛蟹✕赤雲丹
こんもりした毛蟹と赤雲丹。食べる前から既に美味いって確信。雲丹は愛媛の赤雲丹だそう。シャリは少し固めながらはらりと口の中でほどけていきます。
・白甘鯛✕トマト✕煎り酒
煎り酒には梅と昆布。弾力のある白甘鯛の食感と上品な旨味が印象的。トマトは控えめな酸味。
・鰹
藁で蒸した鰹。玉ねぎ醤油にて。お皿に出された瞬間、その風味が鼻を襲ってきます。皮はかなりカリッカリで赤身部分のねっとりとした食感とのコントラストが楽しめます。
・あん肝×海苔天ぷら
あん肝は居酒屋で食べるような粗野な味とは正反対でかなりまろやか。海苔の天ぷらはサックサックでスナック菓子みたい。お酒が進む進む。
・蒸し鮑と肝ソース
ホロホロと口の中で溶けていきます。鮨由うよろしく、残った肝ソースにシャリをアドオン。これは個人的にはお腹に溜まるので、あんまり好きではありません。
・太刀魚の揚出し×万願寺とうがらし
フワフワな太刀魚。揚げ出しはもはや豆腐じゃなくて太刀魚のほうが良いかもしれません。
・岩もずく
シャキシャキとした食感、クセになります。お代りしたい。
・春子鯛の昆布締め
コース開始から1時間近くし、ようやく握りがスタート。いきなり造形美を見せつけてくれます。味はあっさりながら、しっかりと鯛の味を感じることができます。
・白イカ
こちらも海で泳いでいるかのような造形美。食べるのが惜しいくらい。透き通った身で、程良い甘味。
・赤身
塩釜から。ここ1~2年は脂の乗りがイマイチなものが多かったが、久しぶりに脂の乗った上質な鮪が入ったのだそう。そう言われると、旨味が倍増した気がしました。
・中トロ
本日のBEST。脂の旨味が洪水のように口の中になだれ込んできます。海外勢も感激しておりました。
・縞鯵
1日寝かせた鯵。山口から。こちらも旨味の宝庫です。
・帆立
身をほぐしてから煮汁に火を通してと、かなり手の込んでいる調理なのだそう。つめダレとともに。甘味と旨味が交互に押し寄せてきます。
・牡丹海老
見ての通り豊満。ブリブリした食感と甘み。
・穴子
・お椀
上品な旨味のアラ汁。
・玉子焼(黒糖×ほうじ茶×芝海老)
黒糖とほうじ茶ゆえ、色はやや黒みがかってます。玉子の自然な甘さと苦みがうまくブレンドしてすっきりした味わい。
けっこうなボリュームでしたが、私以外のお客さんは、追加で巻き物やら寿司を注文しておりました、強者ばっかりです。次回はペアリングで伺いたなぁと思います。ごちそうさまでした。
店舗情報
- 住所:東京都渋谷区広尾5-3-13 Barbizon86 5F
- 最寄り駅:日比谷線広尾駅より徒歩4分
- 予約:TableCheckほか
- 営業時間:火・水・木・金17:30 - 22:30、土12:00 - 14:00+17:00 - 22:00
- 定休日:月曜日、日曜日