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【ピエール・ガニェール(六本木一丁目)】視覚界最強のフレンチ

ピエール・ガニェールについて

フランスのバルザックにあるレストラン「ピエール・ガニェール」の三ツ星シェフ「ピエール・ガニェール」氏がプロデュースを務めるレストラン。なお、東京以外にも、ロンドンや香港にもお店を構えております。

日本店は、2010年にしてから14年連続でミシュラン二つ星で、他で言うと、食べログでは過去フレンチ100名店やらブロンズを獲ったりなど。

特筆すべきは、ピエール・ガニェール氏の前衛性や挑戦的な志向ならではの、日本とフランスの季節の食材を活かした独創的な料理と華やかな盛り付け。

5年前くらいに1度ランチで利用して、その彩りと食したことのない味に感動したのを覚えてます、後、サービススタッフのフランスの方の温かい心遣いも。今回はディナーで利用してみました。

総評・レビュー

視覚界最強のフレンチ

色彩の豊かさやら、各料理の主素材の環境の再構築感やら、綿密に計算された盛り付け・飾り付けが、当店最大の魅力だと思ってます。その魅力が最大限に発揮されているのが、1品目のフィンガーフード群や2品目の「海で泳ぐ」を表現したホタテ貝かなと。

写真の通り、梅のグリッシーニは木々の中に位置し、ウサギのリエットは岩にたたずみ、ホタテは敷き詰められた貝類と周囲の流線形の波など。

つい見とれてしまい、食すのがもったいないくらい。とはいえ、全品がそうではないところが今回見受かられ、「あれ?こんなだっけかな」と思う点も。とはいえ、前回行ったのがかなり前のなので、記憶が美化されているだけかもしれません。

もちろん、味もいわずもがな美味しく、かつボリュームも「銀座大石(銀座一丁目)」に匹敵するぐらい。デザートだけで4~5品出てくるので、相当覚悟しといたほうがよいかなと。接客も相変わらずのホスピタリティで、またリピートしようかなと。

シェフについて

パリの本店は10年間三ツ星を保持し、「厨房のピカソ」と称されるピエール・ガニェール氏がプロデュース。そのプロデュースの元、エグゼクティブシェフを務めるのは、赤坂洋介氏。赤坂氏の経歴は以下の通りです。

赤坂氏は、フランスで学ぶため、ブザンソンのレストランで修行を積む。その後、【オ・クロコディール】を経て、パリの【ピエール・ガニェール】に勤務。帰国後、ピエール氏の誘いを受け、2010年のオープン時より勤務、翌年にはエグゼクティブシェフを任命され現在に至るのだそう。

引用元:https://hitosara.com/0006077693/person.html

お店の雰囲気・外観

お店はANAインターコンチネンタルホテル東京の36Fにあります。高層階だけあって、レストランから見える夜景は圧巻で、東京タワーも良く見えます。仕事で躓いている自分があほらしく思えてきます。内装も相変わらずエレガント。

席数は35席で、個室もアリ。

サービススタッフは多国籍。みなほど良い距離感を保った接客で、プレゼンにおける言葉選びもなかなかのセンス。とはいえ、一部聞き取りづらく、聞き直すことも。プレゼンは脳および舌に刺激に与える料理の構成要素とも言っても過言ではないので、そこだけ惜しいなぁと思っちゃいました。

お客さんもスタッフ同様に多国籍で、今宵はアジア勢が少なく、ヨーロッパ勢が多数でした。女性のお一人様もちらほら。みな、煌びやかなドレスに身に包み、こちらまで優雅な気分に浸れます。ほぼ満席。

5段階評価

  • 料理・味:★★★★★
  • サービス:★★★★
  • 雰囲気・居心地:★★★★★
  • コスパ:★★★★
  • お酒・ドリンク:★★★★★

料金・価格

ランチもディナーもすべてコースのみ。コースの種類は多数あるため、ディナーに絞ると以下の通りです。

  • BALZAC(6品):22,374円
  • PIERRE(7品):27,346円
  • PIERRE GAGNAIRE TOKYO(9品):37,290円

最上位のコースはPIERREのコースに鮑と黒トリュフの2品がアドオンされるという構成です。今回は、真ん中のPIERRE:27,346円にしました。

ドリンクは、ワインリストは膨大なラインナップ。値段も相当気合が入っております。詳細は下記ページのワインリスト(PDF)をご覧ください。

anaintercontinental-tokyo.jp

ペアリングも可能で、会計から逆算すると、シャンパン込みの計5杯で17,000円前後。コースの価格からすると割安ですが、1杯当たりで計算すると3,400円となかなかのもの。トータルで44,100円。他のフレンチと比較すると、ややお高め。

料理・コース

・ウェルカムフード

まずはフィンガーフードで幕開け。中身は、ひよこ豆とベーコンのクロケット(右下)、カルダモン×蜂蜜×蕎麦よ実(右上)、コンテチーズ✕ミルクチョコレート(中央下)、梅パウダーのグリッシーニ(中央上)、サーモン×いぶりがっこ(左下)、うさぎのテリーヌ(左上)。「食べる順番は温かいクロケットから、それ以外はお好みで」とのこと。五味およびバラエティーある食感と色彩を一度で味わうことができるぜいたくな一品。ペアリングはシャンパン。

・パン✕3種

ミルクたっぷりのパンブラン(右)、無花果などのドライフルーツやピスタチオの食感が楽しめるパン(中央)、もちもちで程よい酸味がクセになるカンパーニュ(左)の3種類。バターはボルディエバター(ブルターニュ産)。もちろんお代わり自由で、ドライフルーツのパンをお代わりしました。

・ライムを利かせた泳ぐホタテ貝 プランクトンの香るサラソンソース 赤玉ねぎのピクルス・オシェトラ・キャビア

こちらも盛り付けが秀逸。ホタテはホタテの貝の上に、さらに界の下には小さな貝類が敷き詰められております(写真では分かりづらいですが)。海を細部まで意識し、かつ泳いでいるかのよう。ホタテのふくよかな旨味に赤玉ネギの酸味とキャビアの塩味が程よく引き締めてくれます、美味。本日のBEST。

・大車海老とオリーブオイル セドリック・カサノヴァ

ここのレストラン、立体的に盛り付けを構成するイメージが強いのですが、これはいたって平面的で標高が希薄。んで、手前のグリーンオリーブペーストが厄介者でした。香りが強く、かつ舌にずっと残るため、この後の一品の主張がやや希薄に。ソースも4~5種類あって楽しめる構成にしてるのに、いかんせん主役の車海老が小さすぎる。う~ん、らしくないかもですね。付け合わせは、ズッキーニ とモッツアレラチーズ。 

・アンチョビの香る太刀魚のグリエ アボカドと豚耳のサラダ サラダ菜のピューレ

前品の影響、魚の中でも淡泊な味に位置している太刀魚の2点ゆえ、個別に楽しむことが困難な一品となりました、残念…。アンチョビの風味も僅かにしか感じることができず。

・京都産鴨のローストとアメリカンチェリー ジロール茸のフリカッセ シブレットオイルを絡めたアオリイカ

鴨の筋肉質な食感、アオリイカのねっとり+プリプリ感、ジロール茸のコリコリ感、それぞれ異なる食感がユニークです。そして、噛む度にそれぞれの旨味がにじみ出てきます。ちなみに、鴨は七谷鴨ですかね?

・ピエール・ガニェールひらめきのデザート

ひらめきすぎて多量のデザート群。これがメインでも成立しそうw。中身は、ヌガーグラッセ、クレームブリュレ、ソルベ、チョコレートのムース、後何か(聞き取れませんでした)の計4皿。スイカの種と果汁が入ったヌガーグラッセがかなりの好み。ヌガーグラッセ特有のねっとり感は無く、さらっとした食感で、スイカとその風味も相まって、かなりさっぱりした仕上がりに。これならいくらでも食べれそう。

・ミニャルディーズ+エスプレッソ

前は、会計後はエレベーターまでシェフ及びスタッフがお見送りしてくれましたが、今日は無く、しゅん。とはいえ、味覚と視覚は満たされました。個人的には都内フレンチの中でいまだに1位。

ごちそうさまでした。

店舗情報

  • 住所:東京都港区赤坂1-12-33 ANAインターコンチネンタルホテル東京36F
  • 最寄り駅:地下鉄銀座線・南北線 「溜池山王駅」13番出口より徒歩1分、「六本木一丁目駅」3番出口より徒歩2分
  • 予約:食べログほか
  • 営業時間:18:00 - 23:00(L.O. 20:00)、12:00 - 15:30(L.O. 13:30)
  • 定休日:月曜日、火曜日