天婦羅 喜わについて
代々木上原にある、2020年にオープンした天ぷら屋さん。
店主の友利真一氏は、天ぷら界の名門である「山の上(六本木)」で10年以上修行された方。ゆえに、食べログ等の口コミ評価はかなり高め。
1~2年前にちらっと本屋さんで立ち読みした「東京最高のレストラン」で紹介され、「美味しそうだな」と思い、過去に1度利用した経緯あり。今回はディナーで再訪しました。季節の変わり目はやはり天ぷらですね(まだ暑いけど)。
総評・レビュー
海鮮のオンパレード
海老から始まり、鱚、雲丹×キャビア、女鯒、稚鮎、鰆、金目鯛、穴子。
揚げ物だけで錚々たる顔ぶれで、1品料理のサザエ、新烏賊も含めると、まさしく海鮮のオンパレード。海鮮好きにはたまらないお店と言えるでしょう。
素材の質に関しては、店主の友利氏が豊洲市場で目利きして仕入れているそうなので、間違いなく確か。
そして、極限の薄衣+太香ごま油を使って素早く揚げ、素材の良さを見事なまでに真空パッケージ、風味や食感などは他の天ぷら店とは一線を画しています。
強いて挙げるなら、根津にある福たろうさんのように、もう少し野菜の揚げものにアクセントやストーリーが欲しかったくらい。
お店の雰囲気・外観
場所は代々木上原の東口を出て右手の坂を少し上ったところで、山せみさんのそば。徒歩数分圏内です。周りは閑静な住宅街で、いかにも上原的な感じ。
お店はウッディな感じ。そして、かなり広めな空間。ゆえに、カウンターの席と席との間隔は広めで、ゆったりできます。席は、カウンターとテーブルの構成で、席数は合わせて16くらい。
店主の友利氏ともう一方(たぶん佐々木さん)の2人で回しており、忙しそうながらも、温かみのある接客。
お客さんは、私以外に、ビジネス利用のグループ客、小さなお子さんがいらっしゃるご家族など、多種多様で、あらゆるシーンorイベントで使い勝手が良さげ。
5段階評価
- 料理・味:★★★★
- サービス:★★★★
- 雰囲気・居心地:★★★★★
- コスパ:★★★★
- お酒・ドリンク:★★★★
料金・価格
コースは、以下の2種類。
- なごみ(チーズ味噌付け、先付け、海老二尾、魚四品(キス、ウニ、穴子、旬魚)、野菜四品、かき揚げお食事、甘味):16,500円
- なごみ(チーズ味噌漬け、先付け、海老二尾、魚六品(キス、ウニ、穴子、旬魚)、野菜五品、かき揚げお食事、甘味):20,000円
2つのコースの差異は、海鮮と野菜の品数。
値段に関しては、おそらく去年伺った時よりも、少し高くなったっぽい。とはいえ、都内の天ぷらのコースの中で考えると、それほど高い印象は無く。
ドリンクは、焼酎類は700円~、日本酒は1,200円~、ワイングラスが1,600円~という感じで、ワイン以外はフレンドリーな価格設定。
今回、ゆかしのコース:20,000円とハイボール×2杯+焼酎×1杯で、合計:22,800円。あんまり飲まなかったので、安く済みました。
料理・コース
・クリームチーズの西京漬け
西京漬けはあらゆる料理を格段にレベルアップしてくれる必勝方程式みたいな感じなので、味は言わずもがな美味しい。もう2~3切れ欲しいくらい。
・栄螺
特筆することは無く。
・新烏賊
新烏賊ってもう少し歯触りの良い食感とほんのりとした甘みという認識なのですが、これはそのどちらも感じず。
・海老の頭
揚げものスタート。まずは海老の頭×2を塩にて。この塩味と旨味がたまりません。ちなみに、ピンク色の塩は沖縄産の海塩。
・海老(塩)
次は海老の身を塩にて。甘みが際立っていて、食感もプリプリ。
・海老(天つゆ)
次は天つゆにて。鰹の一番出汁を使ったこだわりの天つゆはボトルで販売してほしい。
・銀杏
わずかなほろ苦さと甘い香り、食感はもっちり。
・鱚
口に入れた瞬間、ほろほろ溶けていき、それと同時に旨味が広がっていきます。
・生雲丹✕キャビア
海苔の上に、雲丹、キャビア、大場、少量の天かす。当店のスペシャリテは雲丹の大葉巻きだと思っているのですが、ちょっとアプローチを変えたんですかね?とはいえ、文句なしで絶品です。
・ほうれん草とキノコのおひたし
キノコはえのきとしめじの2種類。こちらは特筆することは無く。
・零余子(むかご)
久しぶりに零余子を天ぷらで食べました。ヤマイモライクながら上品な甘さと独特の香り。秋を感じさせる一品です。
・女鯒
上質な旨味ですが、淡白な魚ゆえ、天つゆびしゃびしゃにて食します。あぁ、美味し。
・賀茂茄子
熱々ゆえ、天つゆにてというご指示。ジューシーさと香りがやや凡庸。
・稚鮎の大葉巻き
身は小さいながら、旨味は凝縮。苦みは一切無く。喜わさんの大葉がセットになっている揚げ物は総じて美味い説。本日のBEST。
・甘鯛
鱗焼きは、イタリアンやフレンチでここ最近当たり前のように見てきましたが、天ぷらでも見かけるようになりました。その調理法の通り、皮と身のコントラストがある食感は病みつきになりますが、食傷気味でもあります(このお店のせいではございません)。
・鰆
分厚い身が浸ったつゆにたっぷりの大根おろしをかけて食す。もうこの上品な甘味はスイーツの領域。
・金目鯛
つんのめった酸味があるポン酢と山葵にて。これはユニークな食べ方で印象的でした。
・アスパラ
穂先は塩、根元はつゆにて。昔、アスパラを育てていて自分好みの味が根付いているせいか、もう少し繊維の束感と水分多めなほうが好きです。
・穴子、穴子の骨せんべい
ネギ盛りとともに。粗野な甘さが無く、お見事。
・天丼、赤出汁、漬物
〆は天丼か天茶の選択で前者を選択。ネタは車海老のかき揚げ。ここの天丼は、数ある天丼の中でも、最高峰。それは、この秘伝のタレにあり。独特の上質な甘さと芳醇な香りがヤバすぎます。家に持ち帰りたい。
・豆乳プリン
あぁ、お腹いっぱいて幸せ。冒頭にも書きましたが、野菜の揚げ物と合間に出てくる一品料理にもう少しアクセントが欲しいなぁと。とはいえ、それ以外に関しては完璧です。ごちそうさまでした。
店舗情報
- 住所:東京都渋谷区上原1-17-14 上原ハウス 1F
- 最寄り駅:東京メトロ千代田線・小田急線代々木上原駅東口より徒歩3分
- 予約:食べログほか
- 営業時間:17:00 - 22:00(L.O. 21:00)
- 定休日:水曜日