イル テアトリーノ ダ サローネについて
良質なイタリアンと丁寧な接客で定評のサローネグループ。
そのグループ店の中で、「和食」×「イタリアン」をもとに、日本の比重が高い位置付けのイル テアトリーノ ダ サローネ。食べログでは、過去にブロンズやら百名店に選出されています(テイスト的に、ゴ・エ・ミヨライクなお店なんですが、ゴ・エ・ミヨには未掲載っぽいです)。
過去には、SALONE TOKYOやbyebyeblues(バイバイブルース)で、お世話になっております。今回、どうせなら都内のサローネグループ制覇してみようと思い、当店のディナーをひとり飯で予約してみました。
総評・レビュー
和テイスト比重高めのイタリアン
パスタは箸で食べてくださいスタイルだったり、しまさざなみのコンソメをおちょこで飲ませる仕立てだったり、パンには米麹使ったりなど、随所に日本的な要素が散りばめられたコースが特徴的。和食好きの方にはお勧めかもです。
もちろん、味はサローネゆえ、安定感は抜群。
また、ひとり客でも、カウンター席が設けられていたり、適度にスタッフがかまってくれたりなど、配慮が行き届いています。
気になりどころを挙げるとすると、ボリュームが少ないという点。他サローネグループと比べ、1品1品のポーションは少な目で、パンのお代わりはない(美味しかっただけに残念)。成人男性なら、もっと食べることができまっせ。
シェフについて
シェフを務めるのは2人で、山本 鉄巳氏と斎藤 類氏。経歴は公式サイトより、以下抜粋。
山本 鉄巳氏
学生時代のアルバイトをきっかけにイタリアの料理や文化に魅せられ、卒業後は地元神奈川県内のイタリア料理店で働く。その後3つのレストラン、計6年半の経験を積んだ後「1番イタリアらしい環境で料理が学びたい」という気持ちを胸に、25歳で渡伊。
トスカーナ州サンジミニャーノのミシュランガイド一つ星獲得レストラン「CUM QUIBUS」にて研鑽を積み、ドルチェ部門のシェフを任される。
帰国後2018年、南青山「IL TEATRINO DA SALONE」に入店。その後SALONEグループ旗艦店の日比谷「SALONE TOKYO」を経て、2021年3月には再び「IL TEATRINO DA SALONE」シェフに就任。Barilla社主催「シェフ・オンライン・チャンピオンシップ2020」にて最高位のGOLD PRIZEを獲得。
斎藤 類氏
調理科高校を卒業後、地元埼玉県内を中心としたイタリアンレストラングループに入社。4店舗に携わり前菜からメインまでを一通り学び、イタリア各地の郷土料理への理解を深める。
計六年間のイタリア料理経験を経た後、2018年にオープン間もない日比谷「SALONE TOKYO」に入店。翌年にはスーシェフへと昇任し、当時のシェフ永島の熱い信頼を受けながら右腕として2022年まで在籍。 同年8月には南青山「IL TEATRINO DA SALONE」への異動と共に、シェフへ就任。
引用元URL:https://www.ilteatrino.jp/
お二人とも若く、気さくに話しかけてくれました。
お店の雰囲気・外観
広尾駅から徒歩15分、表参道駅からもそれ位と、駅からはちと遠め。骨董通りをまっすぐ行った先にお店はあります。当日は、雨が降っていたということもあり、表参道駅からタクりました。時間は5分、料金は1,000円いかないくらい。
お店の内装は、ほかのグループ店舗同様、エレガントやラグジュアリー要素満載かと思ったら、そうでも無く、けっこうシンプル。厨房を囲むような木のカウンターが印象的です。
席はカウンター:8席、テーブル:4席、個室が1室という構成で、ほかの店舗よりもハコは小さめ。
お客さんは、私以外に、一人の男性客、男女のペア、女性のグループ客など。みな気品漂ってます。
スタッフは、若くてイケメン率高し。丁寧な接客と細やかな気配りはいつものごとく。ひとりの私にもほど良くかまってくれます(特にソムリエの方。ありがとうございました。)。
5段階評価
- 料理・味:★★★★
- サービス:★★★★
- 雰囲気・居心地:★★★★★
- コスパ:★★★★
- お酒・ドリンク:★★★★
料金・価格
ディナーのコースは以下の2種類です。
- 季節のトリュフと旬の食材を炭焼きで楽しむ月替わりディナーコース(10品):16,500円
- トリュフ好きの方にオススメの季節のトリュフと旬の食材を炭焼きで楽しむディナーコース(10品):22,000円
トリュフのコースは、全10品のうち3品にトリュフを使用しています。なお、上記のコースに、別途サービス料:10%がアドオン。都内のイタリアンのコースと比較すると、相場よりやや高めという印象。
ドリンクは、ワインペアリングが9杯で13,200円。こちらも少し割高。グラスも強気な価格設定で、シャンパンは1杯:2,970円となっております。私は、サローネではいつもビアンコのボトル:9,900円にしているので、今回もこちら一択(ビアンコはフレッシュ+爽やかな味わいで、ほど良いキレのある酸味があり、比較的お肉以外の品々に合わせやすいゆえ)。
今回、16,500円のコースとビアンコのボトル:9,900円とで、合計で3万いかないくらい。ちょい高め。
料理・コース
・“浜名湖ファーム” 卵 ペコリーノ トリュフ
当店のスペシャリテだそう。着丼された瞬間、素材の王道的な組み合わせゆえに、容易に美味しいと分かるシロモノです。目の前でトリュフを削っていただき、うずら卵を崩して食べるという仕立てはインスタストーリー向け。味は申し分なく、とりわけペコリーノトスカーノの豊かなコクと深い味わい、弾力感が印象的でした。
・パスタ ティエピダ ルッコラ セルバチカ 帆立
メインの前後でパスタが2品連弾で来るのが、コースの定常だと思ってましたが、ここは2品目から登場。ティエピダという名の通り、パスタは温かくも冷たくも無く、人肌のよう。ゆえに、胃には優しいです。そして、小麦の風味も良き良き。帆立はだいぶライムが効いており、食感も相当柔らかく、帆立を用いることの意義を考えさせられます。
・戻り鰹 ビーツ バーニャフレイダ
バーニャフレイダで味付けされた戻り鰹の上には、ビーツ、モッツアレラブッファラ、赤しそ、カシスパウダー、アマランサスがびっしりと。彩りは美しく、鰹の身の色との調和もお見事。ただ、鰹特有の味を楽しむことは難易度高く。とはいえ、戻り鰹特有のもっちりとした食感は堪能できます。
・ビニェ 栗マロン南瓜 フォアグラ
シューアイスの上位互換的な1品。フォアグラ×南瓜は黄金の方程式で、フレンチやイタリアンで結構見かけますが、当店は、南瓜をジェラートとパウダーの2層で攻めることにより、他店のそれよりも南瓜のまろやかさが際立っております。
・しまさざなみ ブロード ディ ポッロ
しまさざなみのむっちりした食感と香り高く凝縮された旨味はクセになりそうです。肉を食べた後に、コンソメをおちょこに移して飲むという仕立てになっており、このコンソメが抜群に美味しい。ラーメンで食べたいかも。
・カヴァテッリ 熊本赤なす 仔羊
パスタ2品目で、仔羊のラグーになります。揚げた赤なすは、外壁はクランチーで、内壁は嚙んだ瞬間口の中で見事にとろけます。ジューシー感もハンパなし。カヴァテッリのガムライクな食感もたまりません。やはり、サローネのパスタは裏切りません。
・パン
米麹を使用してるとな。風味豊か。サローネでは、毎度おなじみロレンツォNo5のオイルにて。めちゃ美味しいだけに、お代わりが無かったのが悲しい。
・“鳥市精肉店” あいち鴨 フンギ トリフォラーティ
本日のBEST。たぶん鼻が詰まっていても、鴨の風味が豊かであるということを感じることができます。そして、旨味も秀逸。たぶん、これまで食した鴨の中でBEST OF BESTかも。そして、付け合わせの大黒しめじ×とび色まいたけのトリフォラーティも深い味わいとバラエティー溢れる食感となっており、良い仕事をしています。もう世の中のメインの付け合わせはこれでいい。
・タヤリン うま藻 太刀魚
パスタ3品目。うま藻の海の香りが心地よいです。すだちとパセリのおかげで、かなりさっぱりとした味わいに仕上がっており、コースの抑揚をきちんと体現しています。
・“阿部梨園” 和梨 ズッパ リコッタ
ここらへんでだいぶ酔っぱらってきており、正直味はあんまり覚えてないです。個人的には、サローネの定番である白いティラミスの方が好きだったかも。
・お茶菓子
セミフレッド、ジェラティーナ カカオ、カントゥチーニの3種。
最後はエスプレッソで〆。他のサローネグループとは違い、和テイストでイノベーティブ色強めなコースはユニークですね。ごちそうさまでした。
店舗情報
- 住所:東京都港区南青山7-11-5 HOUSE7115 B1F
- 最寄り駅:日比谷線広尾駅より約15分
- 予約:食べログほか
- 営業時間:12:00-15:00(L.O. 料理13:00 ドリンク14:30)、18:00-22:30(L.O. 料理20:00 ドリンク22:00)
- 定休日:年末年始